動物たちの話②

自営業者の日常雑記

「人間以外の動物は皆、生存本能だけで生きていて
思考や感情は一切持っていない」
と言う人もいる。
でも、動物たちと実際接したことがあれば、
これは間違いだという事がわかると思う。

人間だけが感情があり、思考していて、
言葉によるコミュニケーションができる
というのも違う。
人間と同じ言葉ではなくても
動物たちもコミュニケーションを取っている。
植物も同じ。
これも植物と暮らしてみるとわかる。

何となく「こう言っている気がする
と、感じる時は気のせいではない。
テレパシーで受け取ってるのかなと思う。

数十年前田舎に居た頃 、通ってきていた狸の話。
狸は家族で行動するらしい。
最初は2匹、少しずつ数が増えて11匹になった。
きっちり午前4時30分になると毎日、
玄関の門の前に現れる。
「今何時だ」とかいう、
人間のような把握の仕方でなくても、
狸なりの感覚で、何故か時間が分かるらしい。
これだけはどうぞという事で食べ物を分けると、
畑などを荒らさない。

他にも狐、トンビ、犬、猫が同じ空間に居ても、
違う種類だからといって争う事は無い。
少なくとも知っている限りうちの敷地内では、
いつも来るメンバーが戦っている場面は
見た事が無かった。
空間を共有してもお互い干渉しない。暗黙の了解。
そこに居た私達人間もその中の一種類。
「お互いに、攻撃しないならここにいてもいいよ」
という了解があるらしい。

狸は大きい方から順番に横に並ぶ 。
マトリョーシカの人形のような感じ 。
縦じゃなくて横なところが、
縦社会の人間と違って丸い社会なのかもしれない。

祖母の田舎での狸の話。
土間に苺のリキュール砂糖漬けの壺をいくつも置いていた。
夜中に狸が集団で来て食べたらしく皆んな酔って倒れていた。
そのまま放置したら翌朝には静かに去っていった。
狸は甘いもの好き。山には甘い物はないから珍しいのか。
危害は加えないのを知ると度々やってくる。
敵ではないという認識になるのかと思う。

今の家の前に住んでいた、古い町家でのハクビシン。
私が留守の間に、テーブルの上の食べ物を取っても
お菓子の箱を開けて取っても、
食べ方が綺麗で決して全部取らなかった。
あまりに綺麗なので、最初動物と気がつかなかった。
「泥棒にしては食べ物盗る?」と思ってたら
なんと動物だった。
テーブルの上の皿のラップをめくって
「一つもらいます」という感じ。食べこぼしもなかった。
私より食べ方綺麗かも。
天井裏を爆走して「ポルターガイストか?!」と
お客様に怖がられることがあったので、
お客様が来られる前は「しばらく走らないでね」と
天井に向かってお願いしておくと静かだった。
私の商売の事を理解してくれてるわけではなくても
お願いの内容は分かってくれた様子。
ハクビシンの方が先住者で、
私の方が後で入ったのに申し訳ない。
けれど有難かった。

ハクビシンがよく来てたのが、途中から
ぱったりと来なくなった。
近所に新しい家やマンション、高いビルが出来て
5Gアンテナが沢山立ち始めたから避難してよそへ
うつったのかもしれない。
危険を感じたのかも。動物はよく知っている。

今の家にも先住者の生き物が色々いるけど、
こっちの生き物さん達は自由気ままで
私の接客中でも構わず走る。
猫さんも入ってくるし通っていく。
私のお願いは聞いてくれない。
お願いするのも自由だけど、聞くかどうかも
自由だからいいんだけど。
性格はそれぞれあるらしい。
でもこちらが危害を加えないのは知っている様子。

お客様から聞いた鳩の話 。
鳩がベランダに来て巣を作った。
卵を産んで温めている。
囲いを作ったりして過ごしやすく整え
「ここ使っていいからあんまり汚さないで」
と頼んだら 、
それまでベランダのどこにでも フンをしてたのが
それ以来遠慮してくれてる。ちゃんと話が通じるらしい。

動物や鳥の場合だと

外に行きたい
今はそっとしといて
遊んで欲しい
甘えたい
それは嫌い
これが好き
楽しい
寂しい
など、豊かな感情を伝えてきてくれる。

両生類、魚、爬虫類、昆虫にも
感情はあると思う。

古い家には、大きい蜘蛛がいる事が多い。
見かけたら、出来るだけ好きに過ごしてもらう。

踏んでしまいそうな位置にいると、
踏んではいけないと思うので
「そこ危ないし移動してね」と伝える。
手に乗せて移動させても逃げずにいてくれる。
殺意が無いのは伝わっていると思う。

タイトルとURLをコピーしました