【五十八歳、山の家で猫と暮らす】内容と感想

読んで良かったおすすめ本

田舎暮らしのエッセイなどを最近よく読んでいる。
残りの人生の中でもう一度引っ越して、
今よりもう少し静かな場所に行きたいという希望もありなので
情報収集も兼ねて。
その中でも特に気に入って保存版にしたい
この本について書いてみる(内容のネタバレあり)

筆者は、イラストと文筆を職業としている女性。
筆者が子供の頃から住んでいた家とは別に、
母親が山の家を気に入って購入。
その母親が亡くなってから、放置状態になっていた山の家に
「しばらく住んでみる」予定が、
いつの間にかそれより長くなり・・・という内容。

山の生活の中での、冬から春にかけての季節ごとの出来事、
状況が綴られている。
植物その他のイラストが沢山入っていて、
猫のイラストも入っている。
見た目にも美しくてとても楽しめる本。

田舎暮らしというと最近は憧れる人も多いし、
若い人でも田舎に移住を希望する人も増えた。

この本では、山の家での暮らしの楽しい部分と大変な部分、
両方が書かれていて「これから田舎暮らしをしてみたい」
という人にもとても参考になると思う。

大変な部分の話でもユーモアを交えて面白く書かれているので、
全然重くなくて笑える。
それでいて、どんな事が起きる可能性があるのかは、
情報としてしっかり入ってくる。

景色の美しさに関しては、家の中に入る日の光、家の庭、
窓から見える風景などどれを取っても、やはり都会には無い
素晴らしさがあるのが分かる。

動物と暮らすにも広々としていて素敵な環境。
自分の散歩コースにも困らない。
近所の人達との程よい距離感の付き合いもあって、
全くの孤独とは違う。このあたりも安心。

買い物も、宅配は来てくれるし、少し遠くまで行けるなら
食品や日用品の買い出しにもいける。
食べ物の調達では、どうしようもない不便さというのは無さそう。

この本に書いてある田舎暮らしの事で、
都会から急に来た人だと困りそうな事は、
虫が多い事、家の設備、冬の雪など。

寒い地方の話なので、冬になると雪かきをしないといけなかったり、
家がそこにあると認識されていない場合は
除雪車も近くまで来てくれなかったり。
そうなるとけっこう大変だと思う。
家のドアが開かなくて出られないとかだと一大事。
これは寒い地域を選ばなければ大丈夫かもしれないけど。

設備も、古い家を買ったりすると
水回りがもう壊れていたりする事も多い。
風呂、トイレ、炊事場など、生活の上でどうしても
無いと困る場所で水のトラブルは厳しい。
工事を頼んで後から整えたエピソードも本の中に登場する。

もう一つ、田舎だと覚悟しないといけないのが虫が多い事。
これは第一章から出てくる。
虫が全然苦手じゃないという人はいいけど。

田舎では、都会には絶対居ないような虫が数多く生息している。
風呂の蓋の上に乗っていたとか、風呂の床に居たとか、
トイレのドアを開けたら居たというのはよくある話。
暖かかったり水のある場所を求めてくるのかもしれない。

見た目があれなだけで放っておいても大丈夫な虫もいるけど、
触ると危ないものや、天井を食い荒らしてしまうものなど、
人間側から見れば実害がある場合もある。

人里離れた田舎ほど、不便さ、虫の多さは増していくので、
いきなりそこまでだと無理かもと思う人は
もう少し街中に近いところなど選ぶといいのかもしれない。

五十八歳、山の家で猫と暮らす

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