最近読んだ本で印象的だった「ノマド」という本。
「漂流する高齢労働者たち」というサブタイトル。
アメリカでの話しで、彼らの生活を追いかけた
女性ジャーナリストによるドキュメンタリー。
彼女も、彼らのすぐ近くで同じように生活してみて、
同じ仕事も短期間だが経験してみて、
実際に体験し思った事を書いている。
なので、リアルに伝わってくるものがある。
家賃と生活費を両方支払い生きていくのが
困難になった人々は、家に住むという常識を捨てた。
キャンピングカーその他の車の中で生活し、
好きな所へ移動しながら暮らす。
仕事を求めて移動、
その近くにしばらくとどまり、お金を得て暮らしていく。
そういうライフスタイル。
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この本の中では、
著者が取材を続けてきたリンダという女性が
主人公となっている。
60代の彼女は、肉体的にも精神的にも
本当に逞しい。
死んでしまおうかと思うほどの試練も超えてきて、
だからこそ強い。
今トレーラーハウスで暮らす彼女には、
次の夢がある。
土地を手に入れ、自分の家を作る事。
家を作る材料に廃材を利用して
光熱費のかからない家を自分で建てる
というやり方は、すでに実行した人の例もある。
リンダはこれに挑戦していく。
その計画のために土地を手に入れた
というところまででこの本は終わっている。
きっと今頃はもっと進んでいる事だろう。
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家を持たず移動しつつ生きる毎日は、
仕事は過酷だし怪我の危険などもある。
それでも、
リンダだけでなくこの本に登場する人達は
皆一様に逞しく、強かな生活力を持っている。
そしてとても明るい。
なので、読んでいて暗い気持ちにはならない。
読後感は爽やかで、元気が湧いてくる。
アメリカの抱える問題、貧富の差の拡大と
経済的に困窮する人が増えている現状についても
かなり詳しく書かれている割には・・・
この問題はいずれ日本にもやってくると思う。
もう始まっているかもしれないけど。
お金の事、仕事の事など
一番悩む内容ではあるけど、
「こうなったらどうしよう」
と悶々と悩んでも逆引き寄せになるだけで
(それをイメージする事でその心配が現実に)
何もいいことはない。
余計な心配をして不安の中で生きるよりも
「何が起きたとしても生きるのを諦めない」
その気持ちがあれば、
常に今にフォーカスして
必要な時には知恵と工夫で
何でも乗り切れると思う。