映画化も決定しているという本。
文庫本で出ていたので読んでみたら
確かにすごく惹きつけられる本だった。
映画化されたら観たいと思う。
全ての登場人物が一人一人、
強烈に個性的で魅力的。
そこが一番印象に残ったところ。
あと、映画好きなら最高に楽しめる内容。
主人公は39歳の独身女性。
突然会社を辞めた主人公歩(あゆみ)。
これからどうしようかという時に
父親の多額の借金が発覚。
この80歳近くなってもギャンブル好きのお父さんが、
どうしようもないところも多いけど
何となく憎めないキャラ。
映画好きでもあったこのお父さんは、
マンションの管理人としての仕事をしながら
管理人室の中で密かに、
映画を見た感想をノートに書き綴ったりしていた。
それを見つけた歩が、
そのノートの最後に自分の感想を書き足す。
今度は父親がそれを、映画雑誌に投稿。
その事がきっかけで歩は、
雑誌「映友」の編集部に採用される。
そこからまた急展開で、
父親の映画ブログをスタートさせることになった。
英語でも出される事になったそのブログの文章に対して、
ある日ローズ.バットのハンドルネームで
挑戦的なコメントがつく。
それに対して歩の父親のゴウが反論。
この二人のやり取りがまた面白い。
古い映画が好きな人なら、
自分が観た映画の事も出てくるかと思う。
最初にコメントがついたのは、
フィールド.オブ.ドリームス。
この映画を知っていれば面白さ倍増。
どちらに対しても、なる程と思う。
コメントのやり取りでバトルを繰り広げる
この二人の間に芽生えていく奇妙な友情。
ローズ.バットという人物は、いったい誰なのか。
歩とゴウを取り巻く周りの人達、
映友の編集長と社員達、古い映画館の支配人など
一癖の二癖もある強者揃いでとにかく楽しい。
後半から、
閉館の危機に立たされる古い映画館の事で一波乱あり。
最後の場面は悲しくもとても感動的。
