【桜大の不思議の森】内容と感想

読んで良かったおすすめ本

桜大(おうた)というのが、
この物語の主人公の名前。
桜大は中学生の少年。
都会から遠く離れた、
黒沼村で暮らしている。

祖父母と両親、弟、学校の友達、
よその地域からこの村に来て
いつしか住み着いている
センセイと呼ばれる男性、
そのセンセイの友達。

ここで暮らしている人達は、
村にある自然を愛し
敬う気持ちを持っている。

桜大は、この村でいくつもの
不思議な出来事を体験する。
祖父母からも、
子供の頃体験した不思議の話を
度々聞いていた。

山の中には、
行ってはいけない場所も存在する。

物語の後半、
その禁忌を破ってしまった
転校生の少年に起きた出来事。
このままでは命を落とすかもしれない
少年を救うべく、桜大とセンセイは
再びその場所に向かった。

※この先は内容ネタバレになるのでここまで。

畑で野菜を作り、
どこの家でも自家製の味噌や漬物を作る。
魚を釣ったり狩猟をする人もいて、
そのお裾分けをもらう。

食卓に上がるのは
毎日そう変わりない季節の野菜と焼き魚、
飼っている鶏が産んだ卵など。

素朴で、大地のエネルギーを
たくさん吸い込んだ食べ物は
きっとすごく美味しいに違いない。

自家製の和菓子が登場することもあって
それもすこく美味しそう。

子供達も、自分達で銀杏を拾ったり
田植えを手伝う。

一昔前の日本には普通に見られた
懐かしい風景。
それが目の前に広がるように感じる。

センセイに手伝ってもらって皆で
大木の上に「秘密基地」を作るなど、
自然を生かしつつ面白い遊びを考える。

この日常の様子を脳内再生して
観るだけでもこの本を読んだ価値があった。

これから進路を決めるという年頃の主人公
桜大の悩みにも共感。
桜大の周りの友達、
大人達との関わりも楽しい。

豊かな自然の風景の中で、
人々が日々を楽しみ逞しく生きている。
素敵な本に出会えた。

桜大の不思議の森〈新装版〉 (徳間文庫)

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