【祭りの夜空にテンバリ上げて】内容と感想

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主人公の渚は20代の女性。
両親は離婚していて、今は母親の実家で暮らしている。
渚の父親はタコ焼きの屋台をやっているテキヤで、
この事が渚にはずっとコンプレックスだった。

子供の頃から家業を手伝っていて、
そのせいで同世代の女の子達のように遊びにも行けない。

テキヤというとヤクザと同じだという
イメージで見ている人もいて、
それで嫌な思いをしたこともあった。

両親の離婚以来、渚は父親とは会っていないし
連絡さえ取っていなかった。

自分はテキヤとは縁を切る。そのつもりだった。
裕福で家柄のいい母親の実家から、
お見合いの話も出ていた。
しかもそのお見合い相手は、
若くでイケメンで家柄もよく収入も高く金持ちと
全てが揃っているような人だった。

渚は父親の仕事については適当にごまかすつもりでいた。
母も祖母も、
このお見合いがうまくいく事を願っている。
渚自身も、良家のお嬢様としてこのまま結婚し、
テキヤとは永久に縁を切って幸せになりたかった。

ところがそんな時、突然父親が亡くなる。

突然死んでしまった父親は借金も残していた。
父親の弟子だった少年や、
そこに居候している2人。
父親が拾ってきて育てていた動物達。

放っておく事ができないと思った渚は、
借金を返すために一時的にテキヤの仕事に戻る事を決意。

世の中の状況は、コロナ騒動で不景気。
今までやっていたような祭りは無くなっている。

この厳しい条件の中でどうやって売上を立てるのか。
渚がアイデアを出し、皆で力を合わせて挑戦していく。
祭りができない中で、奇想天外なアイデアを出して
挑戦していくストーリーが楽しい。

共感出来る登場人物が多くて
、熱い気持ちになれる本だった。
読後感も爽やか。
渚と父親との関係、幼馴染との関係、
父親と母親との関係・・・
最初は見えていなかったことが次第に明らかになり、
温かい気持ちにさせられる。

祭りの夜空にテンバリ上げて (集英社オレンジ文庫)

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