アガサクリスティーの傑作、ミステリ戯曲。
クリスティーの小説は好きで沢山読んだけど、
この形の物は初めて読んだ。
舞台装置と、
登場人物のセリフのみで構成される物語。
それでも状況は十分伝わってくる。
誰々が何々と思ったとか考えたとかいう
記述が一切なくても、
登場人物達の感情が見事に伝わってくる。
恋愛の要素、この館に住む人物達の人間模様。
そういったものが複雑に絡んできて、
最初単純な話かと思ったものが
どんどん違う方向へ・・・
そのあたりがこの本の面白さで、
続きが気になって一気にラストまで読んだ。
薄い目の本なので2~3時間で読める感じ。
クリスティーの小説の
いつもの雰囲気はそのままなので、
まだ読んだことが無くて
何か試しに読んでみたい人にもいいかも。
小説よりかなり話の展開はスピーディー。
深い霧がたちこめる夜。
ある館の当主が殺された。
ピストルを持ってその側に立っていたのは
この男の妻。
ここで第二の人物登場。
車の故障で助けを求めるために
この家を訪れた男は、
話を聞いてこの女性を助けようと考える。
犯人は最初からはっきりしている?
この女性が自分で言った通り、
本当に夫を殺害したのか?
それとも他の誰かをかばっているのか?
話はそこからさらにわからなくなり、
驚きの結末を迎える。
招かれざる客 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)