前書きに少しヒントめいた事が
書いてあった。
にも関わらず、結局最後まで
犯人は分からなかった。
犯行の方法も。
あやしいと思える人物がけっこう多い。
誰も彼もが犯人かもと思えてくる。
被害者が死んで利益を得る可能性のある
人物も多い。
殺された屋敷の女主人には財産もある。
今の遺言状の中身がどうなっているのか?
書き換えられた可能性は?
殺害に使われたらしき毒は、
どのタイミングで飲み物に入れられたのか?
途中で犯人が逮捕され、裁判が始まった。
これで決まるのかと思ったら
意外な方向へ・・・再び振り出し。
誰が誰をかばっているのか?
誰が嘘をついているのか?
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この作品は、
ポワロの友人であるヘイスティングズの
一人称で語られる。
ポワロがどこまで推理を進めているのか?
何を考えているのか?
それともまだわかっていないのか?
ヘイスティングズにはなかなかつかめない。
時々ポアロから、こういう事をやってくれとか、
屋敷の中の誰々にこういう伝言をしてくれとか
頼まれる事があってもそれが
何の意味を持つものかさっぱりわからない。
読んでいるこっちも同じようにわからないので、
どちらかと言うとヘイスティングズの立場で
読み進めていた。
ポアロは途中でヒントになる事を言ったのにと
最後に種明かしをしてくれるけれど、
結局全部聞くまで何も分からずじまいだった。
ここで一つだけヒントを言うと、
恨みからの犯罪ではなく金銭的な欲望と
恋愛的要素が少し絡む。
犯罪と直接関係のない所でも恋愛の要素が
絡んでくるので、それによって余計に
混乱が起きて犯罪の本筋は見えにくい。
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
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