田舎に居た頃の話 。
一応家にいる動物達。犬と猫。
食べ物を求めて通ってくる動物達。
狸、狐、トンビ。
同じ空間に違う種類の動物が
入っている時があったけど
不思議と争いは起きなかった。
人間だと争いが起きる場面かも・・・
暗黙の了解のようなものがあるのか。
動物の世界の不思議。
しょっちゅう外出して家にいない猫は、
半野生の性質があるのかよく狩りをした。
戦利品のモグラの死骸を自分の寝床に
いっぱいに敷き詰めて得意そうに寝る。
けど通ってくる他の動物達との争いは無い。
獲物を奪い合う事も起きなかった。
通いの狸が毎朝同じ時間
午前4時30分になると必ず現れた 。
毎日同じ場所に
大きい方から順番に横に並んでいて
だんだん増えて11匹になった。
何匹になっても時間は正確。
時計があるわけでもないのに。
動物ってすごいと思った 。
人間の方が偉いとか能力が高い
というわけでなく
能力の種類が違うだけ。

田舎は敷地が広く隣までも距離がある。
猫が狩りや探検をしていても、
犬が家の近くを疾走していても
迷惑になる事は無かった。
それでも動物達も遠慮があるのか
狸がぞろぞろやってくるのは決まって
まだ暗い早朝。
狐も似たような時刻。
足を小刻みに動かしてカサカサと歩く狸と、
飛び跳ねるように歩く狐は
薄暗い中でもシルエットの違いで良く分かる。
狸の尻尾は短く、狐はフワフワした大きな
尻尾を持っている。

トンビは投げたエサを空中で受け取る。
爪がそういう造りになっているのかと思う。
トンビに油揚げというけどあれは本当。
ちくわとか他の物よりも油揚げを特に
喜んでいる様子だった、
電信柱の上にエサを一旦置いて、ゆっくり
食べるのが常。
カラスなど他の鳥がそれを狙う事もあった。
怖かった体験。
うちの猫が裏の物置の近くで、
大きな蛇とにらみ合っていた時があった。
蛇はとぐろをいて、
かま首をもたげて猫と向き合っている。
猫は毛を逆立てて戦闘体勢。
毒蛇かどうかは見分けられなかったけど、
もしもの事があってはと思い
竹ぼうきを持って撃退しようとした。
蛇が竹ぼうきに絡みついて迫ってきたので、
ほうきごと放り投げて猫を持って逃げた。
猫は戦う体勢だったので、大いに不満だった
かもしれない。
しょっちゅう外出している中では
蛇ぐらい倒しているのかもしれないけど、
見てしまうとやっぱり怖かった。
一応家にいる動物さん達。
外から通って来る動物さん達。
その中では争いは無かったので、
何となくわかっているのかと思う。
猫は外では狩りをするし、
蛇とも戦うのかもしれない。
トンビのエサを他の鳥が狙うので
そこでも戦いは起きていた。
うちでは動物を洗った事もないし
定期的に病院に行く事もなかった。
人から見れば大事にしていないと
見えるかと思う。
けどそれが普通の感覚で
出入り自由な感じだったので、
飼っている、所有しているという
意識は何となく薄かった。
人間も動物も同じ空間を共有している。
そんな感じ。
動物観察は面白い。
触れるような距離感ではなくても、
いつも食べ物をくれる人間は見分けて
いるらしかった。
母親が主にいつも食べ物をあげるので
私など違う人間がたまにあげると
警戒して少し遠くにいる。
様子を見ている感じ。
遠めの距離からでも
「いつもの人と違う」と、
視覚なのか嗅覚なのか他の感覚なのか
分かるらしい。トンビも同じ。
動物の世界の不思議は、
観ていて飽きない
色んな法則があるように思う。

コメント