小説 妖獣ねこまた 15

小説 妖獣ねこまた

8月24日

昨日の夜中、タネ婆さんの家から火が出た。
今は、タネ婆さんも茜さんもこっちに来ているし、あの家には誰も居ない。
火が出る要素なんか無いのに。放火の可能性もあるということだけど、証拠は無いらしい。
未だ復興の兆しがなく放ったらかしの震災後の事だって怪しいし、刺客は送ってくるし、盗聴器は仕掛けるし、何が起きても今さらもう驚かない。
タネ婆さんは、貴重品と残っていた食糧は持ってきたから別にかまわないと言って気にしていなかった。
村を捨てて山に移住すると決めた時から、どちらにしろ家は手放すしかないから同じ事だと。
善次さんとキクさんが山に行った後、昨日までにさらに五人が出発、共に暮らしていた犬達も一緒に移動した。
言葉での会話では、山に行った皆んなが帰ってこないから、犬を使って捜索してみようという話をした。
『次々に山に入って誰も帰ってこなくて人数が減っている』という話は、開発を進めている奴らも把握していると思う。
盗聴器は取り外してないし、こっちの話は聞いてるはずだから。
それでもなお、タネ婆さんの家を焼いたのだとしたら・・・この家だって安全ではないかもしれない。
少しずつ人が減っていくのを根気良く待つよりも、一気に決着をつけようと思ったのか・・・もしそうなら、早いうちに全員出てしまった方がいいのかも。


8月25日

今日は山の方を見に行ってきた。
いつものようにリキが連れて行ってくれて、本当に助かっている。
リキは人間の俺達よりずっと活躍してくれてるかも。
山の主達と話しもしてくれている。
今のところ、自然を壊すような暮らし方は誰もしていないから、怒りを買うような事は無いらしい。
今のところ何とか、近い範囲で全員住む場所を見つけている。
自然に存在する洞窟の様な場所も、探せばけっこうある事が分かった。
最終的にあと八人。増えても何とかなるか・・・もしこれ以上洞窟を利用することが出来なければ、山にある材料を使って家らしき物を作る手もある。
今は季節が夏なのも運が良かった。
川で水浴びや洗濯をしても寒くないし、家作りの作業もやりやすい。
冬になる前に、川から水を引いてくる事と、ドラムカンを使って風呂ができたらいいなあと思う。干して保存できる草花や野菜果物を、今のうちに採って冬に備えれば、食べ物が少なくなる寒い季節も乗り切れると思う。
根菜類の保存は、土を掘って埋めておけばいいとタネ婆さんが言っていた。
あと、漬物を多めに作っておくと冬に食べられる。

 今日帰ってタネ婆さんから聞いたけれど、俺とリキが居ない間に、ここに訪ねて来た者達が居たらしい。
市の職員で、震災に遭った人達に向けて予防接種を無料提供すると言ってきたという。
今年は感染症が猛威をふるっていて、人が集まっている避難所は危険だからという事らしい。
家が潰れたり焼けたりして、水道やトイレも使えないという事が普通に起きているのに。
注射なんかいいからそっちを何とかしてほしい。
当然皆んなそう思ったらしく予防接種など要らないと言ったけれど、相手はしきりに『無料ですから』を強調したらしい。
無料と聞けば何でも飛びつくと思われているのか。ナメられたもんだと思う。
タネ婆さんが『無料って言ったって税金だろうが』と言ったら、やっと諦めて帰って行ったらしい。

俺も最初は、この家に愛着もあるし出来ればこれからもここに居たいなあと思ってたりしたけど。開発を進めている側は、ここを元通りにするつもりなんてさらさら無さそうだし、何なら今居る人間をさっさと始末してでも事を進めたい様子だし。
これ以上この場所に執着しても危険だと今では思う。
それに、山に行って見る度に、新しい住居が出来てたり、皆で工夫して暮らしを楽しんでいる様子が見えて、こっちの方がいいなあと思うようになった。

※※※※

和人が日記を書き終えた時、リキが近くに寄ってきた。
尻尾をピンと上げてゆっくり歩いてくる様子は、普通の猫としてここで生きていた頃と変わらない。

「全員を移動させるのに、あと三回くらいかな」リキが言う。
「いつもほんと助かる。ありがとう。人間動物合わせて、乗せられるのが一度に三人が四人ってとこ?」
「全員いけなくもないけど。体は今まで和人に見せたよりもっと大きくもなるし。けど、目立つだろ」
「それはやっぱりそうだよな」
「山に行った人間がどんどん居なくなるのに、まだ探そうとして全員山に入るっていうのもなんか不自然かもしれないし」
「たしかにそれも言えるな。いくら心配だとは言っても、何が起きてるか分からない不気味な所に、やたら行きたがるのも変だよな」

最初は、二週間くらいかけて少しずつ移動するつもりで九月初旬に移住完了を予定していた。
けれど、タネ婆さんの家から火が出るなどの事件も起きたし、このままここでのんびりしていたら危ないかもしれないと思い始めた。

リキと和人がテレパシーで会話をしていると、いつの間にか全員集まってきていた。
表面上は、人間も動物も、それぞれ寛いで座っているようで無言。
全てが暗黙の了解で通じ合っている。

「帰る所がある者は街に住む家族の元に帰ることにしたっていうのはどう?」
茜が提案した。
「それが自然だろうねぇ。私は茜と一緒に街に帰るってことにするよ。全員それでいけるんじゃないかねぇ。実際子供らが街で暮らしてたり、街に行きたければい行けるあてはあるんだから、万が一調べられても大丈夫だろうよ」
「それいいかも。俺は、皆か移動したら最後に、一人でここに残っても仕方ないしもう一度皆を探しに行くという事で山に入ります」
「その時は俺達も一緒に行ってやろうか
「俺も行くぜ」
「私も」
「そうね。人間一人じゃ心配だから」
「リキが居るし大丈夫とは思うけど。何が来るか分からないし」
周りに居た犬達、猫達から声がかかる。
「良かったな。和人」
リキもそう言ってくれる。
みんなの気持ちが、和人にはとても嬉しかった。

「こんな事ばっかり続くんじゃ気が滅入るねぇ。家も無くなったし」
テレパシーの会話で打ち合わせが終わると、タネ婆さんが声に出して言い始めた。
今頃盗聴器で聞いているだろうと皆分かっている。
「おばあちゃん。私が帰る時、一緒に帰って来たら?前から言ってるじゃない」
茜が調子を合わせる。
「そうだねぇ。ここに愛着があったけど、もう潮時がねぇ」
「実は私も、街に娘夫婦が居るから。帰ろうかなあと思ってるんだよ」
タネ婆さんの隣に座っている老婦人が言った。「
皆んな帰ってちまうのか。寂しいのう。それだったら儂も・・・」
皆んな口々に帰ると言い始めた。
あらかじめ打ち合わせをしたわけでも何でもないのに、皆んな上手く話しを合わせている。

テレパシーの会話は、伝えようと意図して思考するだけで即伝わる。
テレパシーの会話と声に出す言葉の会話を織り交ぜても、少し慣れてくると上手くやり取りが出来る。
聞かれたくないところと聞かれていいところ、スイッチのオンとオフを切り替えるような感じだ。
生まれつきあまり口数が多い方ではなく、言葉でくどくどと説明するのが苦手な和人は、テレパシーの会話の方が楽だなと思い始めていた。
どんな言葉で言おうとか悩まなくてもすぐに伝わるし、相手が腹の中で何を思っているかも伝わってくる。
言葉では嘘を吐けるけど、エネルギーでは誤魔化しは効かない。

「皆んな街に行くのか。家族が居るならその方がいいよな。俺はここ以外帰る家も無いし、もう一回、山に入って帰らない皆んなを探しに行こうと思う」
和人が言うと、危ないから止めろと言って全員が引き留めにかかった。
それでも和人が考えを変えないのを見て、最後は止めるのを諦めて「くれぐれも気をつけて」と言って、見送ってくれる事になった。
全部聞かせるための演技だけれど、皆上手く合わせるし、自分もまあまあそれらしく出来たかなと和人は思った。

茜の告白

翌朝、リキの案内で夫婦一組とタネ婆さんが出発した。
猫達も数匹ついて行く。
この家に隠しカメラが付いている様子は無いから、持てるだけの食糧や生活の道具を持って行く。

皆を送った後ーリキはもう一度戻ってきて夕方に、残る村人三人と茜を山に移動させる予定だった。
最後に残った和人と動物達が翌日に出発すれば、ここは無人になる。
決めたことだけれど、去るとなるとやっぱり名残惜しい。
そんな気持ちで、和人が一人で庭を眺めていると、茜が近づいてきた。
「今大丈夫?話したいことがあるんだけど」
微かな緊張感が伝わってくる。
改めて話したい事って何だろう和人は思った。
「いいよ。今用事も無いし」
出来るだけさりげなく答えながら、和人は何故か自分も緊張してくるのを感じていた。

「私、和人さんのことが好き。ここで一緒に過ごすようになって少しずつそんな気持ちになって・・・片思いでもいいんだけど、今言うチャンス逃したらもう無いかなって。自分の気持ち言いたかっただけだから。言ったらスッキリしたかも。聞いてくれてありがとう」
茜は、真っ直ぐに和人の目をを見て最後まで言い切った。
凛としたエネルギーを感じる。
少し緊張している時の表情も、和人は美しいと思った。

言いたいことを言い終わると、いつもの茜らしい穏やかな笑みを浮かべる。
その優しい表情も、普段のおっとりと柔らかな話し方も和人は好きだった。
その気持ちが恋愛なのかどうか・・・自分でもよく分からなかったけれど、今の告白を聞いて明らかに胸が高鳴った。
「俺も、茜さんのことは好きだと思う。恋愛なんて長いことご無沙汰だったから、この気持ちが恋愛なのかどうか正直はっきりしなかったんだけど。今、すごく嬉しかったから。俺も好きなんだと分かった。ありがとう」
気持ちを言葉にするのは苦手な方なのに、思っていることを素直に全部言えたと和人は思った。

「男性から告白されるのを待ちなさいって親からは言われるんだけど。私の性格って、思ったら言わないとダメみたい」
「俺はそういうの気にしないし、言ってくれてむしろ嬉しかったよ」
これも本心だった。
男性から告白するものだという事も和人は思ったことが無いし気にならなかった。
どちらかと言うと今までの恋愛も相手から来てた気がする。
お互いに気持ちを伝え合ったことで、これから移住するのにも楽しみが増えたと和人は思った。
一人で気楽に生きてきた人生もそれなりによかったけど、これから先は一緒に生きられる人が居る。

その日の夕方、リキが再び迎えに来て、和人以外の全員が出発した。
「気をつけて」と見送る言葉や、去っていく方の「お世話になりました」という言葉は、盗聴器から聞かれているはずと、皆んな意識していた。
テレパシーでの会話では「またすぐに会えるね」と伝えあった。
今出発した皆んなも持てるだけの食糧や生活用品を持って行ったけれど、持ちきれなかった分を和人はリュックサックに詰めた。

明日朝にはここを出る予定で、一つ一つの部屋を回る。
「ありがとう」と言葉をかけると、涙が溢れそうになった。
和人はこの家で生まれて、この家で育って、両親、祖父母、リキと暮らしてきた。
家の中を、庭を歩きながら、三十二年数ヶ月の今までの人生をゆっくりと思い出した。
自分のこれまでだけでなく、代々この家に住んできたわけだから、和人の親の代も、祖父母の代も、さらにその前も、人々がここで生きてきた歴史がある。
「守り切れなくてごめん」和人は、家に向かってそう呟いた。
先祖が今まで守ってきた家を、自分の代で手放してしまう。
そう思うと本当に申し訳ない気がした。

和人の両親も祖父母も、そういう事を気にする人ではなく、家を守るといったプレッシャーは感じなくていいといつも言っていた。
むしろ和人にとって責任が重くならないよう、気楽に思えるように言葉をかけてくれていた。
妙なもので、それだからこそ余計に申し訳なく思ってしまう。
この家の建物に対しても、両親、祖父母、先祖に対しても。
逆に、何が何でも家を守れと言われていたら、反発したかもしれないと和人は思った。

昔は大家族が当たり前だったから家が大きくてもちょうど良かったけれど、人数が少なくなってきたのに家ばかり大きいと、使ってない部屋は傷むし手入れが大変になる。
そんな話も祖父母から聞いていて、だから頃合いを見て手放せばいいと言ってくれていた。
屋根や外壁なども永遠に保つわけではないし、修理に莫大な金がかかる前に手放す方が得策だとも言っていた。
それを聞いていた頃の和人は、自分はここでの暮らしが心底好きで街に出るつもりも無いし、家を手放すなど考えられなかった。
傷んだ箇所も出来る限り自分で直してきたし、そういう作業もわりと好きな方だった。
まさかこんな事が起きて手放すことになるとは思わなかったけれど、最後に避難所としてここを活用出来たのだけは良かったと思った。
明日はすぐに出られるようにと、荷物は全部まとめて寝室に置いた。
それ以外にも山で使えそうな道具など、車に積み込んだ。喜助の車も、獣道に入る手前に置きっぱなしになっている。
車で行けるのはあの場所までで、獣道を上がるのは無理だと和人も分かっている。
一旦あの場所に車を置いておいて、違うルートから迂回してでも山に入れるなら、後日車を移動させようと思った。
山に入る時いつも通るルートは「一番近道」なのだとリキが言っていたから。遠くても車で行ける道は他にあるのかもしれない。

自分が出た後にここがどうなるか分からないけれど、それでも綺麗にして出たいと和人は思った。一部屋ずつ掃除しようと取り掛かったけれど、避難所としてここに居る間に皆が綺麗にしてくれていたようで、やる事は多くなかった。
綺麗に使ってくれた事がありがく、こういう人達となら、これから山に入っての生活でもうまくやっていけそうに思えた。
実際ここに居た間も、村人同士の間で揉め事やトラブルと言えるような出来事は一切無かった。

持って行く荷物の中身をもう一度確認し、戸締りをして風呂に入ると、けっこうな時間になっていた。
軽い夕食を取りながら缶ビールを一本飲んで、居間で煙草を吸った後、和人は寝床に入った。
ここでの最後の夜、色々考えて眠れないかなと思っていたけれど、体の方が疲れていたせいか直ぐに眠りに落ちた。

深夜の異変

深夜、部屋の外でパチパチという音が聞こえて和人は目を覚ました。
半分寝ぼけながら何だろうと思っていると、焦げ臭い匂いが漂ってきた。
外で何か燃えている。
異変を感じて和人は飛び起きた。

本能的に枕元に置いていたリュックサックを引っ掴み、部屋の外に出る。
廊下に通じる襖を開けた途端、煙が部屋に流れ込んできた。
間違いない。
この家のどこかが燃えている。

夜に煙草を吸った時の事を思い出したが、一本だけ吸った後しっかり消した事を確かめ、さらに入念に灰皿に水を入れて完全に火を消しておいた。
煙草の不始末で家が燃える事はあり得ない。
その他にも、今日は料理など火を使う事もしていない。

煙がひどくて目が痛いし咳き込んでしまい、廊下は進めなかった。
諦めて一旦部屋に戻り、外に通じる方の障子を開けて縁側へ出る。そこから見ると、和人が寝ていた部屋の反対側から勢いよく炎が上がっていた。
家の隣にある納屋の方も燃えている。
パチパチいう音はこのせいで、もう少し起きるのが遅かったら自分も危なかったと思い、背筋が寒くなった。

自力で消せるような燃え方ではないし、こうなったらもう逃げるしかないと、走って車の方に向かった。

車のドアを開けようと近づいた時、車の後ろに隠れていた人物が飛び出して来た。

月明かりの下で、刃物が光るのが見えた。

相手が突き出してくる刃物の前に、掴んでいたリュックサックを突き出す。
かろうじて防げた。
なおも攻撃してくる相手の動きをよく見ながら、ステップバックして距離を取る。
リュックサックには荷物を入れすぎていて重く、盾としてはかえって使いにくい。
それでも今持っている物はそれしかないし、体を動かしながら頭もフル回転させて、逃げ切る方法を考えた。
何とか相手の攻撃を躱しつつ、車に乗ってしまえば振り切れるかもしれない。
そう思った瞬間「離れろ!」というメッセージが飛んできた。
自分の頭の中から?
どこから?
車から離れろということか?
分からないけれどそれに従うべきだという気がして、車のドアを開ける手前で向きを変えて横に逃げた。

相手は、一瞬前まで和人が居た車のドアに向けて突進しかけ、すぐに向きを変えて追ってきた。

刃物を持った相手に素手では敵わない。
車を挟んで向き合うのが最大限距離が取れる方法に思えたが、車から離れた方がいいとしたら・・・必死で考えながらとにかく逃げて、庭に生えている一番大きな木の方に走った。

武器になりそうな物は見当たらない。
せめて自分と相手との間に何か障害物があれば、少しでも違うかもしれないと思った。
「そのまま走れ!」またメッセージが飛んできた。
相手が追ってくるのを背後に感じながら、和人は全速力でそのまま走った。

追いつかれるかと思った時、追ってくる気配が急に消えた。
振り向くと、相手の体が吹っ飛んで、近くにあった木に叩きつけられるのが見えた。

馬ほどの多きさになったリキが、和人の目の前に立っていた。
「危なかったな。間に合って良かった」
「ありがとう。助かった」
「行こう」
「荷物が・・・」
「諦めろ」
有無を言わせない圧を感じたので、和人はすぐにリキの背中に乗った。

リキが、飛ぶように走り出す。
あっという間に家から離れていく。数十秒経ったかというところで、背後で爆発音が響いた。「・・・俺の家が・・・」
「車だと思う。猫達が知らせてくれた。怪しい奴が家の周りをうろついていたし、車に何が仕掛けたかもしれないと言ってたから」
「そうか・・・最後までこっちに残ってた子達は夜も見回っていてくれたのか。おかげで助かった。本当に」
今日でこの家とのお別れだというので自分がゆっくり感傷に浸っている間も、猫達は周りを警戒してくれていたのかと思うと申し訳ない気持ちになった。

「俺も、夜のうちにこっちに戻ろうと思って向かってたけど。近くまで来た時猫達と会えた。猫達が知らせてくれたんだけど、あやしい奴が庭に入っているのを見つけて、その後すぐに家から炎が上がって、火の勢いがすごくて近付けなかったって。それでこっちに知らせに来てくれた。猫達が去り際に見たのが、そいつが車に何か仕掛けているところだったらしい」
「ほとんど全員出て行って俺も明日には出るはずだったし、これ以上もう何もしてこないだろうと思って油断してた。迂闊だった」
「和人は表向き『山に皆を探しに行く』って言っていたからじゃないか?あいつらからしてみれば、万が一にも皆を連れて戻って来られては困るわけで」
「確実に始末しておこうって事か」
「それくらいの事はやる相手だと思った方がいいって事だな」
「荷物も車も無くなったけど、命が助かったんだから良かったと思う。いつも助けてくれてありがとう。生まれ育った村が大好きだったけど、この状況となると離れるに限るって今は思う」
「そうだな。もう戻らなくていいと思う。俺だってあの村は好きだったけど」

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