大将軍の一撃
この戦の中で、王騎から受け継いだ矛を
着々と使いこなしはじめた信。
ついに、敵軍に畏れを抱かせるような
矛の一撃で敵将を討った。
この巻最大の見どころはこの場面。
もう一つの見どころは、
楊端和の軍と犬戎軍との戦いの行方。
この戦いも、いよいよ佳境に入ってきた。
朱海平原
亜光軍が危ない状態だという知らせが届き
玉鳳隊は亜光将軍の救出に向かう。
王賁は、信が岳嬰を討つと信じて任せると
言い切った。
初めから反発しあっていた二人の間に
少しだけ相手の力に対する信頼が
生まれたのかもしれない。
信が岳嬰を討った矛の一撃は
王騎将軍を思わせるような迫力で
まさに大将軍の一撃だった。
相手に反撃する機会すら与えず、
矛の一振りだけで勝負が決まった。
他にも見せ場の多い５２巻だけれど
この場面があるという事だけでも
５２巻買う値打ちがあると思う。
一方、この日の作戦のために
趙国三軍の攻撃を一斉に受けた亜光軍は・・・
序盤、鉄壁の護りを見せていたが
その布陣の弱点を見破った尭雲が突入。
玉鳳隊到着の前に亜光が討たれるかという
危ういところ、助けに入ったのは亜花錦
だった。
玉鳳隊も追いついて加勢し、亜光の命を
取られずに守り切る事には間に合った。
撩陽の戦い
壁の軍は、敵を押し込んでいたが
本陣が見えるところまで来て
ブネンの精鋭隊に阻まれる。
メラ族が右から入って押し返すが、
ブネンは、戦っている味方の兵ごと
矢の雨を降らせて殺しまくるような
異常なやり方で攻めてくる。
キタリの兄でメラ族長のカタリが
敵に討たれてしまう。
ここでメラ族と壁軍は一度退却する。
キタリは失意に沈むが
兄の言葉を思い出し、自分が族長となって
メラ族を率いる事を決意。
しかし、ブネンの隊は姿を消していた。
ブネンの隊が狙っていたのは楊端和の軍
だった。
楊端和は、この日の最低限の戦果として
敵将ゴバの首を狙っていた。
ところが、ゴバの退路を断つところまで
追いつめたつもりが逆に敵軍の包囲を
受けてしまう。
舜水樹は、楊端和の軍の動きを読んでいた。
犬戎王ロゾの本軍がここに現れ、
公孫龍率いる左右の趙軍、ゴバの軍によって
四方を囲まれた楊端和は正面から突破する。
敵側からは予想外の動きで正面へ突撃、
ゴバを討ってそのまま脱出した。
この後楊端和の軍は徹底的な追撃を受ける。
楊端和は、
包囲を抜けられた者は各部族ごとに別れ走り
日の出まで逃げ切れと伝えた。
そして、楊端和が決めた再び結集する場所は
犬戎の城。
バジオウが楊端和を守り
追撃をかわし続けるが、敵軍も諦めず追ってきて
二人はついに窮地に陥る。
この時、崖の斜面を登って近づく猿手族の一団の
姿があった。
もう一つの戦場では
フィゴ軍は、半日で軍の半分の兵を失うという
多くの犠牲を出した。
しかしその代償として、三兄弟の末弟トアクを討った。
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