ビジネス書として読むキングダム4巻 戦いに負ける時にも理由がある後編

キングダム 政 ビジネス書として読むキングダム

ビジネス書として読むキングダム4巻

反乱軍側が敗れた理由

心から慕ってついてきている者がいなかった

信が蟜に対して
「お前がどんなに偉ぶっても、
身を呈してお前を護ろうという奴は一人もいない」
と言い放つ場面がある。
戦っているのは虐待に怯えたランカイだけで、
それが生の現実だという言葉で
蟜を追い詰める。

信は下僕の身分で
勉強ができるような環境にも育っておらず
字も読めないくらいだけれど
違う意味で頭がいい。
感がいいというのか、人の事をよく見抜いていると思う。

この国の王は政だ。お前なんかじゃねえ」

信のその言葉にも、この兄弟を両方見て
感じたところが現れている。
嬴政と共にここ数日過ごし、
その行動も精神面も見てきた事と、
ここで見て聞いた蟜の言葉や態度。

王族というのはそんなもんだろうと
信が元々思っていたイメージが
蟜の人柄や態度にに近かったのかと思う。

政と一緒にいたから忘れていたが、
王族というのは・・・といった言葉にも
その気持ちが現れている。

信が指摘した通り、蟜には、
心から慕ってついてきている者がいなかった。

反乱のもう一人の首謀者である竭氏も、
自分が権力を得るために
王弟と大王の対立を利用しただけだった。

自分のためだけに動いているので、
蟜の事も利用できる都合のいい人間
くらいにしか考えていない。
本殿に居た配下達も、
自分が危ないと見ると我先にと逃げ出す始末だった。

大王側が勝てた理由

政には昌文君という腹心の部下が居る。
山の民の避暑地で政と再会できた時の
「よくぞご無事で」という心からの言葉を
聞いても伝わってくる。

政が一人で山の王と話し合いに行った時、
政の身を案じて信に頭を下げる場面もあった。

信も、そういう周りの者の政に対する態度も見て、
政の人物像が見えたのかと思う。
最初は替え玉として漂が死んだ事で
政に対しては憎しみしかなかった信も、
一緒に過ごす中で気持ちが変わってきている。

人は、本心から「この人は信用できる」とか
「この人にならついていこう」と思った時なら、
その人のために本気で頑張れるし、
その人を護ろうとも思えるものだ。

どんなに偉ぶっても、
一緒にいる事で権力を得らるとか
自分が得をするとか計算があって
ついてきている者は、
そのあてが外れるとさっさと逃げていく。

会社の中でも、
役職についていながら
あまり尊敬されていない人もいる。

機嫌を取っておけば自分が何か得をすると
計算していたり、立場上言えないから
仕方なく従っているという人しか
周りにいなければ、
何かあった時にすぐ人は離れていく。

逆に、尊敬される人というのは
威張らなくても尊敬されるし人が集まってくる。
良くも悪くも周りの人というのは、
上の立場の人間のことを冷静に観ていたりする。

王騎将軍と政の問答

楊端和を説得した時と同じように、
政は王騎将軍に対して堂々と
自分の目指すところについて語る。

「中華統一」
それを政が本気で言っているという事を
王騎将軍は見抜いた。
(今までにも口先だけで大きな事を
言う者は居たが、この王は違う)

人を見抜く目は、
六大将軍の一人であり武力においても最強、
人生経験も長い王騎将軍が
自然に身につけてきた感覚的なところなのかと思う。

王騎将軍の、
この宝刀は不遜な言葉を許さないという言葉通り、
返答を間違えれば斬られかねない状況だった。

楊端和を説得した時も同じ状況だったが、
本心から出る本気の言葉というのは
相手に伝わるものだと思う。

逆に、上辺だけのごまかしはきかない。
これは今の実社会の仕事の人間関係でも同じことが言える。

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